まだ、合宿を実施する前、メディケアセンターでは、ジムや治療の患者さん同様、
ウエイトコントロールの方も近隣の方が通って来られていました。
そんな中、来られていたのが書道の達人、ちゃきちゃきの、彼女というのも失礼な
大先輩でした。年齢は私の倍くらいで、私の母親と祖母の間くらいです。
彼女は、早くにご主人を亡くされ、女で一つで子供達を育てたということもあり、
ご自身の体にはとても気を使われていました。
メディケアセンターに来られたのも、定期的に行っている健康診断で、
中性脂肪値が高く、そのためにウエイトコントロールが必要だと感じたからでした。
初め、食事指導をすると、
「この年になって、食事の我慢なんかしたくない!食べたい物を食べる!」
と言われ、それで健康管理は難しいので
「だったら健康にするのも、ウエイトコントロールをするのも無理です!」
といいあっていたら、お互い笑えてきて、
「そうよね、だからこんな検査結果になったのよね・・・。」と。
そして、なんでも聞くから厳しく言って!・・・と。
ある程度の年齢になり、私のような小娘(?)に指導されるのは、気にさわる
でしょうに、意識の高さが伺えました。
彼女は、満州からの引き上げの方で、天国から地獄、そしてそこから這い上がって
っと、すさまじい人生を歩まれていました。
私がぽろっと関西弁で話をしてしまった時に、私が関西人だときずき、
自分も神戸の人間だから懐かしいと喜ばれ、祖母が早くに亡くなった私が、
あまり聞くことのできなかったさまざまなお話をしてくださり、私はその話を
聞くのが毎回とても楽しみでした。
今は、少なくなりましたが、彼女は悪い事をしている子供には進んで注意を
するタイプ。はっきりものを言うので、娘さんには、若者に好かれる年寄りに
ならんとあかんと言われ、おとなしくしているの・・・と寂しそうに言われて
いましたが、私は、その、はっきりものを言われる彼女をとても素敵だと
感じていました。
初め、あんなに食事の調整を嫌がっていた彼女もその後はちょこちょこ
好物(うなぎとか?)を食べながらもそれ以外はとても気をつけ、
中性脂肪値は徐々にに正常値に戻りました。
それより二人して驚いたのは、背骨です!
大きな半紙に習字を書くという動作を何年もやってきた結果、
彼女の背骨は丸まっていました。
彼女の場合は、運動をすることはできませんでしたので
EMSという電気を使った筋力強化を行っていましたが、
背中の筋肉を鍛えたことにより、その背骨が伸びたんです!
神戸で行われた同窓会に出席し、みんな杖をついたり背中が曲がったりで
私が一番元気に歩いてたのよ!と、自慢げに話す彼女を見て私も
一緒に自慢げになっていました。
写真は、彼女が私に書いてくれたものです。
私を娘のように思ってくれていた彼女が、私の母には私の名前を書いて、
そして私にはこの『一期一会』という言葉を書いてくださいました。
母へは、いつも娘さんを独り占めしてしまってすみませんと、連絡
したいけど、そうもいかないので・・・と。
なんだか、気持ちがとても嬉しく、そしてこの出会いもまた、
私にとって大きな出会いでした。
kawakami