長いようで短かった合宿がもう終わるが、自分の中では終わった気がしない。デルメのスタッフの方々に「この合宿終了がスタートだよ」と言われていた最初のほうは、分かってはいるものの、あまり実感がわかず、辛い時にはこの合宿もいつかは終わる…と思い、耐えていた。しかし、出来なかった動きが出来るようになってきたり、動作の意味を学び、効果を実感し、それがスケートにも活きてくると将来の不安が少し軽くなり、自分はもっとできるかもしれない…スケートの道で頑張っていけるかもしれないとモチベーションがポジティブなものになっていった。
そして、感謝の気持ちが強く湧いてきた。今までも今もずっと支えてくれる家族の存在やスケートのコーチ、そしてデルメの方々への感謝の気持ちが私のスケートの原動力となり、練習にかける想いがより一層強くなった。私がスケート選手になりたいと思った時に目標としたのは、リンクに咲く寒風の花となる事だった。辛い経験を乗り越えた人の演技は、必ず誰かの心に響くと信じているからだ。初めは、自分の為のスケートだったとしても誰かの為にスケートを滑りたいという気持ちが今の私のスケートへのモチベーションとなっている。
その誰かが、今まではハッキリとせずにいたが、感謝の気持ちが湧いた時、まずは身近で支えてくれている家族やコーチ、そして興味本位ではなく本心で支え信じ、応援してくれているデルメの人達の気持ちに応えたいと思うようになった。
この合宿は、スタートなのだと心から思う。
覚悟を決めるというのは、言葉でいうのは簡単だが難しいことだ。今、出来る事を精一杯取り組み、その先に本物の覚悟が見えてくるのだと思う。この1ヶ月を土台として、真心を込めてスケートや周りの人達と歩んでいきたい。